「中小企業 新ものづくり・新サービス展」では、バイヤー枠としても多くの企業が参加しています。バイヤーとして参加することで効率良くニーズに合った出展者を探索しマッチングすることが可能となります。
機械工具商社である株式会社NaITOは、2021年に開催された「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に参加し、2日間で22社とマッチング、現在、11社とビジネスが進行中という成果を挙げています。バイヤー目線でみた本展示会のメリットなどを、海外部 部長の小峰英樹様とリーダーの赤城真弓様に伺いました。
単に商品を販売するのではなく、
さまざまなサポートを展開
──NaITOとは、どのような会社なのでしょうか?
小峰:弊社は機械工具の商社です。主力商品は切削工具で、年間450億円の売上の約半分を占めます。他にも産業機器や計測機器・測定工具、工作機械などを扱っていますがBtoBが中心のため、一般の方はあまり目にすることのない会社かもしれません。
──どのようなところが特徴なのでしょうか?
小峰:機械工具の商社なので、国内では機械・工具メーカーから商品を仕入れ、機械工具ディーラーに提供するのがビジネスです。しかし、単に商品を販売するのではなく、メーカー・ディーラーに対し、マーケットのニーズのフィードバックや、販売促進プランの提案、最新情報の提供や、セールス活動のサポートなどを行っています。メーカー数社とチームを組みディーラーに向けた相談会を開くこともあります。また、弊社の商品知識の専門性を活かした勉強会を全国のディーラーやエンドユーザーに対して無料で開催することもあります。
2日間で熱量の高い会社
22社とマッチングできた
──「中小企業 新ものづくり・新サービス展」にバイヤーとして参加するようになったのはなぜですか?
小峰:昨年初めて参加しましたが、事務局からご案内を頂き直ぐに飛びつきました。理由としては、私が海外部の活動の中で大事にしている新たなビジネスに向けて新しい仕入先、新しい商品を見つける事や人と人との関わりを増やす事が非常に重要だと考えていたからです。
これまでも新しい仕入先、新しい商品を見つけるため、インターネットで検索して見つけた会社のホームページから連絡を取ったり、お付き合いのあるメーカーに紹介をお願いしたり、展示会にも足を運んで新規の取引先を探し増やすことは出来ましたが、少し効率が悪いと感じる事もありました。
「中小企業 新ものづくり・新サービス展」は、出展ブースをただ見て回るのではなく、事務局が出展者とのマッチングをサポートしセッティングして頂けるというのがとても魅力的でした。
──どのようなところが特徴なのでしょうか?
小峰:機械工具の商社なので、国内では機械・工具メーカーから商品を仕入れ、機械工具ディーラーに提供するのがビジネスです。しかし、単に商品を販売するのではなく、メーカー・ディーラーに対し、マーケットのニーズのフィードバックや、販売促進プランの提案、最新情報の提供や、セールス活動のサポートなどを行っています。メーカー数社とチームを組みディーラーに向けた相談会を開くこともあります。また、弊社の商品知識の専門性を活かした勉強会を全国のディーラーやエンドユーザーに対して無料で開催することもあります。
──出展者はどのような基準で選定したのですか?
小峰:一番は海外で協業できる出展者様を選定しました。それと、新たな商売に向けて弊社の事業に直接的には関係なくとも、魅力のある出展者様にお会いすることを心掛けました。海外事業では様々なニーズが沢山あります。海外では国内と違い直接エンドユーザー様への提案も多く、少し違った視点から魅力ある商材を提案することが必要で、お客様の新たなドアを開ける事を目的としています。
1日目は、弊社からの依頼が4社。出展者からの依頼が5社。計9社。
2日目は、弊社からの依頼が4社。出展者からの依頼が6社。計10社。
加えて当日になって出展者からの依頼が3社ありました。うち2社は名刺交換しかできませんでしたが、2日間で合計22社とマッチングできました。
この2日間は、ほぼバイヤーブースに張り付いていました。バイヤーブースで会う出展者様は熱意がとにかく凄いんです。しかも、私も会いたい方ばかりで気が抜けませんでした。商談後見に来て欲しいと言われていた展示ブースもあったのですが、残念ながら訪問する気力も時間も残っていませんでした。それだけバイヤーブースでの取り組みに集中していたのだと思います。
無駄な時間なく
マッチングが進んだ
──印象的だった出展者はありましたか?
小峰:ある会社の若い担当者が緊張しながらも、一生懸命に自社をPRしてくれたのは印象的でした。
あとは製品に非常に想いがあり、時間内で説明が終わらなかった方々も多かったです。とても勉強になりました。
どの出展者様も弊社と会ったことを喜んで頂けましたし、私も嬉しく感じたのと同時に責任も感じました。初日、2~3社と会ったところで「これはもっと真剣に向き合わないとまずい」と気を引き締めました。
──赤城さんも立ち会われたのだとか?
赤城:小峰の手伝いとして参加しました。私は基本、内勤なので展示会に行くということはあまりありません。メールや電話対応が主ですが、やはり、いろんな人と直接、お話しできるのは面白いと思いましたし、大事なことだと気付きました。
また、製品は品番で受発注するだけで現物を見ることはほとんど無いのですが、バイヤーブースでは製品を見ながら、どのように使われるかなどをご説明頂き、たくさんの発見がありました。
──事務局のサポートはいかがでしたでしょうか?
小峰:素晴らしかったと思います。事務局でスケジュールを組んで頂いて我々は参加するだけでした。出展者様を呼びにいくのも事務局で手配頂き、効率よく進めて頂いた事は非常に良かったですし助かりました。
──他の展示会にも足を運んだとのことですが、違いはありましたか?
小峰:東京ビッグサイトや幕張メッセ、パシフィコ横浜、インテックス大阪、ポートメッセなごやなどで開催される多くの展示会にも行きました。事前に目当ての展示ブースを決めてから行くのですが、会場に話の分かる担当者がいないとか、担当者を見つけても他の方と話をしているために話が出来ない事もあります。展示会ではどうしても立ち話になりますし、他の人もいるのであまり時間もかけられません。話ができずに名刺交換だけで終わってしまう事も度々です。せっかくの機会なのにもったいないと感じます。
そんなときは「中小企業 新ものづくり・新サービス展」のマッチング率の高いバイヤーブースの出来事が懐かしく思い起されました。
パワフルな中小企業と
つながることが大事
──「中小企業 新ものづくり・新サービス展」からビジネスに発展していますか?
小峰:展示会の後、多くの新しい展開を進めています。2021年に会った22社のうち、具体的になりつつあるのは11社あります。
例えば、精密研磨・試料研磨機メーカーのアイエムティー様は、担当の田中様が積極的に当社へ来社され製品勉強会なども実施し、弊社の計測開発部での新規仕入先になりました。通常の新規仕入先登録はハードルが高いのですが大きな成功事例だと思います。
宮城県で精密部品加工を行う和光技研工業の渡邊社長様も熱い方で、7月に計測開発部と一緒にお伺いさせて頂きました。自動外観検査機「WaKo1」は良い装置なので海外展開をご相談しているところです。また、大阪府にある板バネ専門の昭和スプリング様も、ご担当の斎藤様の熱意があり色々とご相談にのってい頂いているので商売に繋げたいと思います。長野県にある電子機器のウイルダイフレックスの木内社長様も会社訪問の実施や様々なご提案を頂いています。アイデアが豊富な社長様です。
奈良県の井上工作所の井上社長様には関係があり親しい会社をご紹介いただきました。10月には大阪府のフォーツールの長光社長様、秦製作所の玉川執行役員様と今後についてのお話をさせて頂きました。3社とも工場内も見学させて頂き、積極的な活動には大きな刺激となりました。
千葉県東金市の新和様とは、私がもともとお付き合いのあった富山県の溶接・溶射のスペシャリストの企業を含め3社で協業についての打ち合わせを10月に富山県で実施しました。国内での企業お見合いの意図もありますが、バイヤーブースでお会いした小野寺様、田中様も積極的に活動して関係を深めて頂いた事で実現できました。新たな商売を繋がっていくと思います。他にも姫路市の菅原様、瑞穂工業様、川村インターナショナル様、アトリエケー様など大変お世話になっております。皆様にはご対応頂き感謝しております。このご縁を大切にしていきたいと思います。
──それは素晴らしいですね。
小峰:日本の企業の中には海外で新たな展開を進められる技術力のある企業も多いです。今はチャンスがありますし、モノ作り現場の中小企業様にはパワフルな会社がたくさんあり、話をしている会社はどこも海外進出に意欲的です。海外はリスクもありますが、1社ではなくチームで進出する事も大切だと感じます。弊社のネットワークを活用し、海外へのお手伝いをさせて頂けたらと思います。
──「中小企業 新ものづくり・新サービス展」のメリットをどうお考えですか?
小峰:やはり新しい仕入先、新しい商品を見つけられることです。しかも、出展ブースをただ見て回るのではなく、事務局で出展者とのマッチングをセッティングし、スケジュールを組んでもらえるのが大きなメリットです。当日バイヤーブースで会う出展者様は資料を用意してきて説明して頂けます。私としても会社内容を理解してお会いしていますし、出展者様も事前に弊社のことを調べてから来て頂いていますので、ミスマッチということがありません。
──ありがとうございました。
この記事は2022年のインタビューを元に作成された記事です。