Buyer Interview

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2023年9月6日、日比谷スカイカンファレンスにおいて、「中小企業新ものづくり・新サービス展」令和5年度出展者説明会が開催された際、富士フイルムホールディングス株式会社・中小企業診断士の中澤菊男様より、「バイヤー企業から出展企業さまへ期待する事」と題した講演がおこなわれました。講演の中から一部を抜粋してご紹介させていただきます。

chapter1 about NaITO

バイヤーからみた
「中小企業新ものづくり・新サービス展」

毎年、「中小企業 新ものづくり・新サービス展」にバイヤーは招待されています。企業は困り事を抱えているので、バイヤーは日々新しいサービスや商品、発注先を探しています。

出展企業さまはぜひ、「弊社はこうだ」と差別化できるポイントをアピールしていただきたいと思います。バイヤーも、「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に参加する以上、何かを持って帰りたい、何かを見つけたいという意思を持っています。

この話は展示会とは直接関係ないかもしれませんが、大企業では売り込みに対してドアは開かれています。「我々が求めているものはこういうものです」「こういうのを募集しています」といったことは常にオープンにしています。その上で、バイヤーが展示会に来ているんだと意識していただければと思います。

「中小企業 新ものづくり・新サービス展」の事務局は、バイヤーに対して、「ものづくり補助事業者の中から厳選された意欲的な企業が一堂に会する展示会」だとアピールしています。事業を加速させる新しいアイディアに出会いたいと思っていませんか? 納期を圧倒的に短縮したいと思っていませんか? 調達コストを抜本的に見直したいと思っていませんか? などと訴えています。国の補助金がもらえるレベルの厳選された出展企業であると一生懸命にアピールしているので、バイヤーとしても「だったら行ってみようか」とすごい期待を持っています。

バイヤー企業は「中小企業 新ものづくり・新サービス展」への参加は無料です。事務局ではコーディネイトもやってくれます。さまざまな補助や支援をしてくれます。展示会場に行かなくともオンラインでも商談できます。このようにアピールしているので、バイヤー企業はかなり期待しながら参加していると考えていただければと思います。

バイヤー企業では「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に参加する際、商談会で探索したい部品材料などのQCD(品質、コスト、納期)ニーズを明確化したリストを準備します。そのことで、どのようなサービス、どのようなものを欲しているかをバイヤーは把握します。

出展企業さまはwebサイト(マイページ)でバイヤー企業のニーズが見られます。バイヤー企業が求める製品スペックがあれば、そのスペックを深掘りしてください。もしスペックがないのであれば、逆にチャンスかもしれません。いろんなものを売り込むことができる良い機会です。スペックがあれば、そこに合うか合わないかですし、スペックが漠然としていれば、「こういうのはどうですか」と言える提言の幅が広いとお考えいただけるかもしれません。

事前準備として、バイヤー企業のニーズをよく読み込んで、具体的な課題を面談の時に引き出す、あるいは、提案を準備する。それを事前にしていただくと上手くいくと思います。我々も、出展企業さまからの面談が来るのをただ待っているだけではありません。参加リストをくまなく見て、「こういうところが良さそうだ」と目星を付けています。もしかすると、出展企業さまから面談を申し込まれてきても、そのリストに入っていないところだと、ざっくばらんに申し上げると、「面談はしません」となることがあるかもしれません。それぐらい時間と労力をかけています。バイヤー企業も一生懸命に出展企業の皆さんのことを調べたり、研究したりしているとお考えください。

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出展企業さまへ期待する4つのこと

── 1点目。自社を見つめ直し、実力や実績を客観的に評価してください。

1点目。自社を見つめ直し、実力や実績を客観的に評価してください。

弊社では、「下請け」や「外注」という言葉を持っておりません。一緒にビジネスをやるパートナーを探しています。 オーバートークはNGですが、過小評価・謙虚も言わないほうがいいと思います。「これはできる、これはできない。今はここだけだが、こういう計画がある。もし、こういうことがやりたいのなら一緒に、こういうことをやりたい」と説明してください。

製品のデータはスペック表で渡すよりも、提案という形にする。こういうスペック、こういう機能、こういう設備、こういうことができるということをわかりやすく客観的に出していただくのが良いと思います。

──2点目。この展示会は何なのかということを考えてください。

「中小企業 新ものづくり・新サービス展」は補助金を使って革新した、新しいビジネスをつくるというのが起点です。皆さんのお仕事がそれだけで成り立っているとは決して思いませんが、まずはそこをメインに出していただきたいと思います。その時に補助金の申請に書いたビジネスプラン。どこに担って、どういうことをやるのか、今は試作段階、次は量産とか、そういう本来のシナリオに合った展示内容にすることで、マッチングがしやすくなると思います。

「補助金申請以外の製品も展示する。数打てば当たる」ではなく、ぜひ、ストライクゾーンに投げ込んでいただく。あるいは、その場で商談が決まらなくともスタートを勝ち取る。「次回を作る」ということも考えていただければ嬉しいと思います。

「これはすごい技術でこんな特性がある」というのはもちろん大事ですし、そこが入り口です。けれども、バイヤーが欲しいかどうか、バイヤーが使って、買って嬉しいかどうか。このことが重要です。そのことをすり合わせる場が、面談、商談だとお考えいただければと思います。

ピンポイントにハマるのは大事かもしれませんが、そもそも何をしたいのかを考え、「それだったらこういう手がある」と提案することもマッチングだと思いますので、そういう考えのもとで来ていただければと思います。

──3点目。変化に対する対応力、スピードが大切です。

宿題をもらったら適切なフォローをしていただきたいと思います。意外に、「すぐ調べてください」といった宿題に対して、返事が返ってこないということがあります。対応のスピードが悪くて機会を無駄にしている場合もあります。

あるいは、「こういうスペック、こういうことができないか」ということに対して、「それはできません」と答えるのではなく、「こうすればできます」と、少し幅広い視点で、対応力とかスピードを捉えていただければと思います。

バイヤー企業、大規模企業側と出展企業さまがマッチングする。これが商談会の目的です。お互いにどのような会社なのかをよく把握して、ストライクゾーンを確認して欲しいと思います。そして、製品やサービスがストライクゾーンに入ると思ったなら、攻めていただく。提案や確認、質問も準備していただくとマッチングが進むと思います。

──最後、ゴールの設定。今回は駄目だったとしても次回に活かす。

全ての企業のバイヤーが展示会を訪れるわけではありません。「このような技術や製品を保有する企業があった」という認知を取るだけでも大きなゴールだと思います。そういったゴールの設定を目指していただければと思います。

この記事は2023年のインタビューを元に作成された記事です。

来場された出展者の皆様はとても熱心に、中澤菊男様の講演に耳を傾けていました。
バイヤー企業が求めていることを理解した出展者は、展示内容や資料を充実させ、準備を整えて、「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に臨みます。
出展者は選び抜かれた会社ばかりです。「情報・通信」「医療・生活・ヘルスケア」「物流・ サービス・その他」「電機・電子部品」「環境・建設・エネルギー」「農林水産・食品」「化学・繊維・紙」「機械・部品」といったさまざまな分野で今までになかった製品・サービスを見せてくれます。
ぜひ、「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に足を運んでいただければと思います。

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