中小企業 新ものづくり・新サービス展には、「産業連携による廃プラスチックを活用した商品開発」というテーマで出展します。
弊社は、山形県の東北芸術工科大学とコラボし、学生さんに廃プラスチックを使った商品のアイデアを考えて頂き、そのアイデアを基に弊社で金型を起こして、商品化するという取り組みを行いました。
弊社では、前々から自社開発を行っていました。製作した商品を、山形県のデザインコンテストに出品したところ、受賞は叶いませんでしたが、奨励企業として県からデザインのアドバイスを頂き、改善して新たな商品を制作することになりました。弊社では以前から東北芸術工科大学さんと一緒に商品開発をしたいという思いがありました。そのことを県に伝えたところ、先生に繋いでくださり、こういう取り組みが始まったというのが経緯です。
期間は約3か月。参加した学生さんは10名で、1人2アイデア、計20アイデアを出して頂きました。弊社でも何度か授業に参加させて頂いて、アドバイスをさせて頂きながら、検討を重ねて最終的に、2点採用させて頂きました。
芸術系の学校ならではの、斬新な発想やデザインが多く、どれも素晴らしいものでした。しかし、商品化するとなると、技術的に難しい部分もあり、そこのすり合わせを行い、商品の実現性も踏まえて2点に絞りました。他にもいいものがたくさんあったため、断腸の思いでした。
なお、商品はユニバーサルデザインとなっており、体の不自由な方や怪我をした方でも使いやすいデザインを意識し、原材料は自社から排出される廃プラスチックを使用しています。
一つが、きつく閉まったペットボトルのキャップを、握力の弱い方でも簡単に開けられる、ユニバーサルデザインの「ペットボトルオープナー」。もう一つは、ユニバーサルデザインよりもデザイン色の強いものなのですが、「フラワースタンド」。これはペットボトルを花瓶の代わりに使う方がいるのですが、ペットボトルをむき出しのまま花瓶として使うのは見栄えが悪いため、ペットボトルを覆って使うスタンドです。ブロックのように組み合わせ、ペットボトルを見えなくして、ちょっとおしゃれな花瓶にしようといったものです
弊社では今まで、金型の制作は委託していたのですが、その金型の作成を内製化し、弊社の付加価値を向上させようという狙いがありました。ものづくり補助金は、精密金型の内製化に活用させて頂きました。
自社で金型が作れるようになったことで、この取り組みに発展したというのが経緯です。導入した設備によって金型の製作や修理だけの活用に留まらず、これまでは金型を預かって生産を行うBtoBのビジネスしかできなかったのが、自社で商品開発を行い販売するBtoCのビジネスを行えるようになりました。ビジネスの幅が広がったことは、今後、弊社の強みになると思います
昨今、メディアでも廃プラスチックの問題は、すごく取り上げられるようになってきています。弊社でも、廃棄するのではなく、廃プラスチックを使って商品開発できないかと数年前から取り組んできました。今回の取り組みは、プラスチック削減を学生さんに知ってもらえた、良い機会だったと思っています。
また、芸術系の学生さんは、就職先として製造業は選択しないという話もあります。アイデアを出して頂いて、商品化されるまでの流れを経験して頂いたことで、製造業に興味を持って頂き、製造業への就職も選択肢の一つに入れて頂ければ、地方の雇用の創出に繋がってくるのかなとは考えております。
今回の商品は、特徴はあるにせよ、ある種一般的なものです。その中でも、デザイン性に優位性はあると思っております。
「ペットボトルオープナー」と「フラワースタンド」のデザインは、芸術に取り組んでいる学生さんならではです。特にフラワースタンドは、その発想が我々にはありませんでした。若い方の着眼点はユニークだと思います。
また、廃プラスチックを使用することで、環境負荷を低減していることも優位性になると考えております。デザインに感度が強く、かつ、エコにも関心が高い人に向いている商品だと思います。
今回のテーマは生活雑貨でした。学生さんが日々の生活の中での困りごとや、ちょっと気づいたことをデザインしています。ユニバーサルデザインは、弊社からではなく、学生さんから出てきたことです。そんな選択肢も今の世の中にはあると思いました。
デザイン性はもちろん、機能性にもこだわって頂いて、学生さん自身、実際にどういう形がいいかを何度も3Dプリンターで試作してくださったそうです。
「ペットボトルオープナー」の想定は、20代女性で、手の力が弱い方。かつ、アウトドアが好きな人です。山登りや散歩中にペットボトルを手に持たず歩けて、手袋をつけている時でも、すぐにペットボトルキャップを外すことができる。丸みを帯びた形になっているため、上から力を加えながら回しやすい。存在感がありすぎず、誰もが持ち運びしやすいデザインを目指したそうです。
デザインされた学生さんは女性なのですが、やはりペットボトルを開けるとき、少し手間取るという実体験から、簡単に開きやすいようにと考えられたものです。
「フラワースタンド」の方は、子どもが遊ぶブロックのように自由な組み合わせが可能で、偶数角形であれば形を変えることも可能。ペットボトルの全面を覆う必要はなく、前部だけでも可とのことです。
学生さんが最初にこの発想に至ったのは、一人暮らしで花を飾りたいけど飾るスペースがないとき、ペットボトルに花を挿して飾っておけることに着眼して制作されたそうです。
弊社としては、家庭はもちろん、公共施設や学校などにも置いて頂くことで、廃プラスチックとペットボトルの再利用の重要性や、地球環境について少しでも考えて頂けるきっかけになればと思っております。
やはり、若い方が作っているので、若い方に共感して頂き、若い方に手に取って頂けたらと思っております。
価格は、まだ開発段階なので未定ですが、「ペットボトルオープナー」は、100~200円。「フラワースタンド」は1セット1,000円ぐらいで考えております。
販売もありますが、販促での利用も想定しています。エコロジーやユニバーサルデザインに関心の高い企業様のノベルティとして活用して頂ければと考えています。
雑貨やアイデア商品の販売実績や販売可能な方とマッチングできればと考えています。もちろん、会社の大小に問わず、小さなお店さんから、大手の雑貨屋さんまで、いろんなところとお話をしたいと思います。
また、商品にロゴを印刷することも可能なので、地球環境問題に意識の高い企業様や、そんな企業様とお取引のある販促関係の広告代理店様。ノベルティ、ギフトとして扱うなど、様々な用途で活用して頂きたいと考えています。
弊社としては、授業を継続して行きたいですし、今回の中小企業 新ものづくり・新サービス展には間に合わなかった、いいアイデアはいっぱいあるので、それを今後、商品開発していきたいと考えています。
また、廃プラスチックに抗菌効果を持たせるなど、付加価値を付ける研究をしているので、例えば抗菌作用を持たせたコップなどを商品化できればと考えています。
弊社は、昭和45年創業以来、熱硬化性、熱可塑性射出成形と一貫してプラスチック成形品を手掛けております。
クライアントは、コネクタメーカーで、産業機器や、自動車、電気機器の中の線を繋ぐコネクタをメインとして制作しています。あまり、表に出てくる製品ではないので、あまり馴染みはないかもしれません。
また、ものづくり補助金によって、金型の設計、製作、試作にも対応できるようになり、最新の設備と加工技術を提供しています。
あと、DXにも力を入れております。プログラマーが在籍していて、自社でプログラムの開発やシステムの開発まで請け負っています。また、自社の業務改善のためのシステムやアプリ開発も行っております。そうしたことから、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定されているほか、経済産業省が主催する「DXセレクション2024」にて優良事例企業に選定されました。デジタル技術を活用し、高効率な生産を実現して、お客様に信頼を得ています。
きっかけは新型コロナウイルス感染症でした。BtoBがメインで、お客様から受注を頂いて生産する形だったのですが、コロナ禍で、それまでの注文がなくなってしまいました。お客様の注文がなければ売上はゼロになってしまいます。BtoBというビジネスの限界を見た感じがしました。
そのため、自社でオリジナル製品を開発し、BtoCにビジネスを展開していく必要があると考えました。
とはいえ、オリジナル商品開発の難しさは、やはり売れる商品を作ることです。ものづくり補助金のおかげで金型を作れるようになりましたが、だからといって売れる商品が作れるわけではありません。しかし、ただ、お客様から与えられた仕事をこなす、ということから、ゼロから社員みんなで「こうしたらいい、ああしたらいい」とアイデア、意見を出し合って、商品を完成させることに会社全体で喜びを感じております。
学生さんとコラボするときも、社長達と学生さんだけで話をするのではなく、各事業部から数人、学校に行かせて頂き、一緒に授業をさせて頂きました。
今後は、BtoBとBtoCの2本で事業を推進できればと考えて、取り組んでいるところです。
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