中小企業向けとして、弊社が開発した「Humanome Eyes」は、プログラミングや専門知識がなくとも、パソコンがあれば物体検知AIの開発が始められるツールです。写真や動画を取り込み、マウスで見つけたい「モノ」の位置を覚えさせて行くだけで、画面内に写る物体を判定するAIの作成が可能となります。AI入門として無理なく使えるUI(ユーザーインターフェイス)で、DX推進とAI人材の育成を支援します。
例えば、苺の生産者さんが、苺が熟れているか熟れていないかの判定や、熟れている苺の数を数えたいと思ったとき、熟れている苺と熟れてない苺を「Humanome Eyes」に覚え込ませると、何個熟れているものがある、何個熟れていないものがあると判定をします。また、工場でネジに傷が入っているか入っていないかを判定したいとき、これは傷、これは傷じゃないと教えると自動的に判定します。
物体検知AIは、膨大な量の画像を読み込ませる必要があると言われていますが、「Humanome Eyes」は100~200枚くらいの写真を読み込ませると判定します。
ものづくり補助金は、クラウド化の開発で活用させて頂きました。当初はワークステーション型の運用だったのですが、近年ではクラウドが中心になっています。クラウドだとログインすればすぐに使えますし、ワークステーション型より安価です。もちろん、ワークステーション型と同様の機能を実装し、機能は妥協していません。
物体検知AIの開発には高額な費用と専門家が必要ですが、「Humanome Eyes」は安価でかつ、専門家いらず。クリックしていくだけで完成するシステムになっています。誰でも気楽に作成して頂けるのが、一番のメリットだと考えています。
中小企業であっても、これからの時代は、AIを導入し、効率性を上げていかなければ、競合とは優位に立てないと思います。その点、「Humanome Eyes」は物体検知と目的が明確なので、業務に取り入れやすいと思います。
また、町工場では、「高齢化が進み、熟練の職人が退職してしまう。しかし、熟練の職人でないと、何を見て、何を判断しているかが分からない」と悩みを抱えています。熟練の職人さんと一緒に物体検知AIを作ってみることで、熟練の職人さんが見ている場所であるとか、何を気にしているかが言語化でき、AIに置き換えることで会社の中にスキルやナレッジが貯まっていきます。
さらに、人手が足りない、人件費も高騰しているといった課題もあります。AIだと1日24時間、1年365日休まずに稼働します。人を増やさなくとも、効率よく作業を進めることができます。
「Humanome Eyes」は、中小企業でも扱いやすく、しかも、用途が限定されているわけでなく、果実の良し悪し、ネジの傷を見つけるなど、広く、様々な用途で使えることが強みです。
また、UIにはこだわっていて、使い勝手の良い仕様となっています。よくあるシステムはエンジニアでないと作り方、使い方が分からない、ということが起こりがちですが、我々が講義を提供している専門学校の生徒様に使ってみていただくと、直ぐに操作を覚えることができました。中学生の授業でも利用した実績があるくらい、わかりやすいUIです。逆に高齢の方にも、町工場に行って講演させて頂き、そこで使って頂いていますが、「携帯電話にも触れない」という人でも使って頂いています。
事例のひとつに、宮崎県衛生管理課と共同で、食鳥の疾病診断AIを「Humanome Eyes」を用いて開発したというのがあります。
宮崎県は鶏の出荷額が日本一です。その鶏に疾病がないかをチェックする食鳥検査では、獣医師の資格をもつ食鳥検査員が、異常のある鶏を一羽ずつ疾病診断しています。大量の鶏を迅速に検査するためには、検査員の経験が重要です。しかし、近年では検査員の高齢化と人材不足が課題となっています。そこで、カメラで撮影した画像から疾病を診断するために「Humanome Eyes」を活用し、獣医師の診断をサポートすることで、食鳥検査の省力化を目指しました。
他にも工場のレーンなどで、壊れたものが流れてきたときに、赤いランプが光るといったキットも販売させて頂いています。
別の事例として、製菓を専門とされている方々と一緒に、「Humanome Eyes」を使って、壊れているクッキーを判定することに取り組んだことがあります。私たちから見るとどれも美味しそうなクッキーに見えても、専門家にすると形がいびつ、ひびが入っているなど、良い悪いの判定基準がありました。専門家が、その判断基準を「Humanome Eyes」に学習させることで、現場で使えるAIシステムとなりました。
大手企業だと自社で開発すると思います。むしろ、中小企業の方に使って頂いて、日本の産業を底上げしたいと考えています。
私が中小企業さんとお話をすると、皆さん、「何とかしたい」とおっしゃいます。しかし、「どうしていいのかが分からない」と。そのときの次の一手として、「Humanome Eyes」を導入される中小企業が多くいらっしゃいます。
生命科学系の農業や、医療を得意としているので、その領域でマッチングできればと考えています。
あと、中小企業で、大量生産しなければならないのに、不良品の選別に悩みを抱えている事業主さんがいらっしゃいましたら、マッチングしたいと思っています。
また、「Humanome Eyes」を活用して、AI開発を請け負いたいと考えている会社さん、個人のエンジニアさんも歓迎します。実際、導入したけれど、AIの開発者が少ないので、外部にAI開発を依頼しているという会社さんもあります。AIビジネスを始めようと考える開発者さんにも適しています。
この先は、より多くの方に使って頂き、レビューを頂くことで、我々も一緒に成長したいというのが希望です。このツールだけで、全ての皆さんを満足させられるとは思っていません。提供させて頂く会社さんと一緒に、どういう機能があったらより良くなるか、より皆さんをサポートできるのか、探っていきたいと考えています。
私は、産業技術総合研究所に勤務し、医療や生物、農業などをサポートするAIの開発に携わって来ました。その領域を広げたいと考え、2017年にヒューマノーム研究所を設立しました。現在は、共同研究や受託開発をさせて頂いています。
弊社は「AIと最新テクノロジーで、健康社会を実現する」をミッションに掲げています。そして、「人とは何か」をテーマに、ITとヘルスケアを高いレベルで融合し、人々が健康で幸せに暮らせる社会の在り方を追求しています。
AIと最新テクノロジーを社会に実装することで、医療を治療から予防へ変革し、自分の健康を自身でコントロールできる世界、充実した衣食住を実現した健康社会を創造したいと考えています。
人の労力を減らして、安全な社会を実現する、あるいは新しい薬の開発にも取り組んでいます。生命科学に関連する分野でAIを活用し、世の中をサポートしています。
会社を設立した2017年当時、AIはブームでしたが、導入されているのは大企業だけ。中小企業ではAIがビジネスに活用できると、イメージすらして頂けない状態でした。しかし今もまだ、AIへのハードルは高いと感じています。
もっとイメージをつけてもらう必要があると考えて開発したのが、「Humanome Eyes」です。
「Humanome Eyes」に触れることで「AIはこうやって使えるのか」、あるいは「自分でもAIを作れるんだ」となれば、次のステップに進められると考えています。
誰かが作ったAIではなく、自社に適したAIがあることで、効率化も推進され、事業は発展すると思います。
「Humanome Eyes」を皆様に活用して頂き、事業推進、業務改善などに役立てて頂きたいと考えています。
これからは、AIと人間が未来の社会を作って行く時代だと思います。AIは友達、伴奏者として、我々に何か気づきを与えてくれたりとか、あるいは新しい物事を決める手助けをしてくれたりとかします。それによって我々は様々なことにチャレンジできるようになって行くと思っていますし、そんな世界を作って行きたいと考えています。
AIは人間に取って代わるとか、怖いものといったネガティブなイメージもまだあると思います。しかし、AIがあることによってハンディキャップがある方でも、世界中で安心して動くこともできるようになると思いますし、より多くの人が楽しく過ごせるようにもなって行きます。ネガティブな部分は改善しながら、ポジティブな部分を伸ばして行きたいと考えています。
貨幣が経済を作って行くように、AIが生み出すデータが新しい紙幣になって経済を作って行くと思っています。AIを活用することで、社会が豊かになる未来を創造したいと考えています。
我々としてはこの、「Humanome Eyes」を、皆さんにとってAIの最初の一歩として体験して頂きたいというのが全ての思いです。ぜひとも使って頂ければと思っています。
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