弊社では、複雑な栽培履歴の運用管理を統一・標準化した、栽培履歴管理システム「とれたて日誌くん」を開発しました。
栽培履歴管理とは、農作物を栽培する上で、農薬や肥料を適正に使用して管理し、市場及び店舗に出荷するためのシステムです。作業内容が新鮮なうちに作業工程を日誌として記録し登録し管理することから「とれたて日誌くん」と命名しました。
日誌なので、作業の都度入力します。従来の栽培履歴管理は、OCRの用紙があり、それに生産者さんが作業内容を書き、栽培が完了した段階で提出&出荷するものです。そのため、作業完了後の提出なので実質的にはあまり役には立ちませんでした。弊社の「とれたて日誌くん」は、スマホやパソコンなどの端末から直接入力し、作業の都度更新をするものです。
特徴としては4つ。
① タッチパネル端末から作業・施肥・防除の記録の入力。
② 管理者端末で使用農薬のチェック処理、エラー処理。
③ 承認された農産物のみラベル発行制御。
④ ラベルに印字された認証内容をスマホで見える化。
があります。
クラウドセンターに農薬や肥料の使用方法や基準が登録されており、生産者さんはそれらの情報を照合して栽培計画を立てることが出来ます。栽培計画作成時点で最初の農薬等の使用チェックが行われます。ものづくり補助金は、POSレジの購入とソフト開発で活用させて頂きました。
作物を栽培するとき、一つの農薬・肥料だけを使うのではなく、栽培が終了するまで様々な農薬・肥料を使用しなければなりません。農薬には様々な種類があり、栽培する作物に適した農薬が必要で、使って良い農薬と使ってはいけない農薬があります。さらに農薬は何倍に薄めればよいのかも考えなければなりません。農薬が濃い状態で使うと、残留農薬が生じ危険だからです。他にも何回以上撒いてはいけないといった決まりもあります。肥料に関しても、窒素系の肥料をたくさん撒くと体に良くないということもあります。そのため、全体的にこのぐらいの量に抑えなければならないということもあります。
更に、農薬・肥料メーカーは様々あり、同じような効能だけど、農薬・肥料名が違うとまた、違った使用方法になります。生産者さんはそれら煩雑な情報を総て管理しなければなりません。多くの生産者さんはたくさんの農薬・肥料を複合的に使用する場合のチェックに頭を悩ましています。そのチェック機能を弊社が提供します。というのは、「とれたて日誌くん」は農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が月に2~3回更新している農薬情報をタイムリーに取得し、データベースに反映させており、その情報に基づいてシステムがチェックするからです。そのことで、熟練の生産者さんにしかできなかったことが可能となりました。「とれたて日誌くん」は生産者さんにとってとても便利なツールだといえます。
栽培履歴管理システムは既に何社かが手掛けています。しかし、大半がOCRを用いたものです。紙に農薬・肥料のコードや、何回撒いたか、何倍に薄めたか、何月何日に撒いたかを数字で記入し、OCRで読み込ませて入力させます。しかし、完全には読み込むことはできません。すると補正入力をせざるを得ません。とてもじゃないけれど、そこまでできない。そのため、紙を出したら終わりというのが従来の方式です。弊社の栽培履歴管理システム「とれたて日誌くん」は、スマホからでも簡単に入力できるようにしたのが特徴です。もちろん、それだけでは他社も追随して来るでしょう。弊社の優位性は、農産物直売所向け販売管理システム「新産直繁盛くん」を展開していることです。「新産直繁盛くん」と「とれたて日誌くん」を連携させることで、よりシームレスな栽培履歴管理が実現できます。
また、「とれたて日誌くん」を活用すると、商品ラベルにQRコードを付与させ、消費者がスマホで読み込むと栽培履歴が見られるようにもなります。このことで消費者に安心して購入して頂くことができます。
また、商品管理をQRコードで管理できることも優位性だと考えています。他社はバーコードで管理しています。バーコードだと13桁しか対応できません。QRコードで管理することで49桁での管理が可能となります。そのため、詳細な管理が実現できます。
スーパーマーケットなどには新鮮野菜コーナーがあります。その新鮮野菜コーナーでは、市場から仕入れた商品と、地元で栽培した商品が並びます。市場からの商品は、JAが食の安全性を保証しています。しかし、地元の商品では保証する術がありません。そんなとき、栽培履歴管理システム「とれたて日誌くん」が役に立ちます。
栽培履歴管理システムを必要とするのは野菜だけではありません。お米や果物でも必要です。
多くの生産者さんに活用して頂きたいと考えています。
栽培履歴は重要だと理解していても、入力するとなると煩雑になるため、誰も入力したくありません。楽なのがOCR方式ですが、紙に書いて出すだけで、実質的には役に立ちません。
しかし、今後、食の安全安心を強く打ち出すためには、全生産者さんが栽培履歴を行わなければなりません。そのためには入力が簡単でなければならない。弊社の「とれたて日誌くん」は、履歴に基づいて、更新をかけて行きます。前回と同じならば、同じフォーマットでそのまま日付だけ入ればいいとなります。
スーパーマーケットさんやデパートさん、コンビニさん、道の駅さんなど、新鮮野菜の販売を手掛けている会社さんなどとマッチングできればと考えています。
栽培履歴管理はいずれは導入せざるを得なくなります。時代の変化に対応しなければいけないことに危機感を持っている会社さんとお話しできればと考えています。
弊社の主力商品は、農産物直売所向け販売管理システム「新産直繁盛くん」です。しかし、今後は、栽培履歴管理システム「とれたて日誌くん」が主力になると考えています。
というのは、今後10年くらいの間に、全生産者さんは栽培履歴管理システムを導入しなければならない状況になると考えているからです。
そのため、「とれたて日誌くん」はAIも活用して強化する計画です。例えば、ある作物をどの時期に、どの畑やハウスで栽培すると決まると栽培工程もおのずと決まります。そこに病害虫の発生情報を組み合わせれば、どういう農薬を、何回くらい撒けばいいかの計画を作ることができます。そこにAIを活用します。適正な農薬の使用方法を生産者さんに示すことで、作物の栽培も楽になると考えています。
弊社は農産物直営所の管理システムを最も早く、開発した会社です。元々は30年ほど前、愛媛県内子町に道の駅ができた際、道の駅と一緒になってシステムを開発したことが起こりとなっています。その後、農産物直営所に向け、「新産直繁盛くん」など様々なシステムを開発し、提供して来ました。
特徴としては、直売所の商品管理をするにあたり、QRコードで管理をしていることです。このQRコードでの管理に関して、弊社は特許を取得しています。
生産者は栽培履歴に基づいて作物を栽培します。そして、商品として出荷をする際、その商品を管理する出荷先の登録様式に従って登録しなければなりません。そのため、出荷先がAとBの2か所あるとすると、各々の登録様式に従って登録しなければならないということが起こります。それでは非効率です。今後は、共通認証制度が作られ、生産者さんがセンターに登録をすると認証番号が取得でき、その認証番号でどこの出荷先でも卸せるようになるだろうと考えています。
事実、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、食材を提供するためにはGAPの取得が必要でした。GAPとは、適切に生産管理がなされていることを証明する第三者認証制度です。このGAPはスタンダードにはならず、現在は活かされていません。しかし、食の安全を担保するためには最低限、農薬は管理する必要があると考えています。
そうした想いから、栽培履歴管理システム「とれたて日誌くん」を開発しました。
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