弊社は、印刷用ゴムロール及び関連資材の製造・販売などを行っている会社です。ゴムロールは自動車のタイヤと一緒で使い続けていると磨耗します。劣化したゴムロールを交換して、再生し、また納めることを業務としています。
その中、弊社の製品であるVOC抑制UVインク用ウレタンロールの生産性向上のため、「TEC自動走行ラックシステム2.0」を自社で開発しました。これは、できあがったロールを、従来は会社の倉庫に保管・管理していたのですが、保管するラックを自動走行させることで倉庫スペースの有効活用を図ることを目的として作られたものです。本来、自社用のシステムだったのですが、工場見学に訪れた企業の方々に好評だったことから外販することになりました。
「TEC自動走行ラックシステム2.0」を設置することで、設置面積の67%が使用可能となります。タッチパネルで操作し、管理システムを搭載しているため、収納ワークの先入れ先出しが可能で、棚卸作業も簡易に行えます。また、フォークリフトの旋回作業が不要のため、事故の未然防止にも繋がり、旋回時に大きなスペースが必要となる長尺ワークの保管効率も格段に向上します。
もちろん、お客様の要望に応じて、システム面や機械面をオーダーメイド設計が可能なので、どのような空間にもマッチします。
ものづくり補助金は、「TEC自動走行ラックシステム2.0」の開発に活用させて頂きました。
販売を開始した途端、3台の注文を頂きました。そのお客様は弊社と同じ製造業の会社様で、やはり保管場所がなく、生産性向上のためにスペースの有効活用をしたいという方々です。
同様に保管場所が狭くて苦労しているという会社様の役に立ちます。
各社から自動走行ラックシステムは販売されています。ただし、多くのものは大型で多機能。小型のものでもそれなりの価格になります。「TEC自動走行ラックシステム2.0」は小型で、最小限の機能に限定しているため、安価で提供可能です。大きなシステムではなく、小回りの利くシステムを希望される会社様に適しています。
「TEC自動走行ラックシステム2.0」にどのようなものを保管するかは自由です。一般的には資材や製品を保管しています。
あるお客様は10数列ある前4列くらいは常に出る製品を置き、奥の方には週1や月1に出るような製品を置いています。今までなら倉庫に適当に置いていたため、出したいときには手前の物を移動しなければならず、1個の荷物を出すのに30分ぐらいかかっていたそうですが、それが大幅に改善されたそうです。
大手企業様よりむしろ、中小企業様に活用して頂きたいと思います。狭い倉庫に収納しなければならず、苦労している企業様に向いていると思います。
保管場所に困っている会社様はもちろん、倉庫関係を事業としている会社様とマッチングしたいと考えています。また、大型の自動走行ラックシステムではなく、小型のシステムを探しているお客様と取引のある代理店様などともお話ができればと考えています。
大手よりも優位性のある自動走行ラックシステムを開発してみたいという希望はありますが、やはり限界があります。可能なら、小規模の自動フォークリフトを供給している会社様とコラボできればと考えています。弊社の「TEC自動走行ラックシステム2.0」と自動フォークリフトが組むことで大手に負けないシステムになると思います。
また。弊社の「TEC自動走行ラックシステム2.0」を活用して頂いている会社様はどこも昼勤の会社様です。それは、夜間に稼働させ、何かトラブルが発生した場合、対応ができないからです。大手なら24時間体制でトラブル対応していますが…。どこか、夜間のトラブル対応を代行してくれるような会社様があれば、コラボできればと考えています。
弊社は、印刷機に特化したゴムロールを生産しており、特にUV印刷に特化したウレタン系のゴムロールを得意としています。他にも工業系のゴムロールとして、ゴミ取り用の粘着ゴムロールやゴム自体に粘着性を帯びていてワークのゴミを取るものも製造しています。
また、ゴムロールが汚れたとき、人が手で拭くケースが多いのですが、自動洗浄装置もカスタマイズして製作しています。ゴムロールを販売している会社が、ゴムロールを洗浄する機械も販売しているのは、他社にはない特徴です。
ゴムも他社にないような、自社で開発したものです。他社より高価になりますが、多少高価でも長持ちすると好評を得ています。そうしたケミカル的な技術力もあれば、ゴムロールの自動洗浄装置や「TEC自動走行ラックシステム2.0」などの機械を開発する技術力も備えています。
大阪府和泉市の本社を中心に、関東支店の他、東北と九州に営業所を構え、増産体制、納期対応を行っています。また、ベトナムのダナンに装置関係の事務所を開設し、海外展開も行っています。
冒頭でお話しした通り、当初は、弊社のゴムロールを保管する場所の有効活用を図るために開発したものです。
最初、既存の自動走行ラックシステムの導入を検討したのですが、高価だったため断念しました。また、どこかの倉庫を借りることも考えたのですが、社長の「そういうことを言う前に考えてみろ」との発言から、社内の業務改善の一環として開発に取り組むことになりました。
弊社にはエンジニアが在籍しており、様々な機械を製作しています。どうすれば実現可能かを検討しながら開発しましたが、開発に半年もかかっていません。システムを開発したことで、どこに何が入っているかが分かりやすくなり、棚卸のときも楽になりました。2年位使っていたところ、たまたま工場見学に来たお客様から「これを欲しいと思う会社は多い」と言われ、「売れるはずはない」と思いつつも、展示会に出展したところ、多くの会社様から関心を持って頂きました。自社で役に立つものは他社でも役に立つというか、弊社と同じ悩みを抱えている会社様は多いのだと痛感しました。
Profile
CONTACT