家具製作で工数削減と端材率の削減をネスティング手法により達成

株式会社エクセレント
代表取締役 中村真幸

ネスティング手法を実現するNCマシニングセンター

木製カプセルベッドのチラシ

─補助事業の成果である製品・サービス・技術等について教えてください。

ネスティング手法というものがあります。例えば製造業では板材や棒材などから部品を効率よく取るための割り付け手法で、レーザー切断やプラズマ切断、ガス切断、ウォータージェット切断、パンチングなどをする際に使われます。また、物流業界では同じ形状の棚や箱を積み重ねることで収納スペースを削減する手法で、入れ子式のスチールラックなどで使用されます。弊社ではこのネスティング手法を家具製作のために取り入れました。

従来、家具製作では、家具の寸法に合わせて人が木材を機械で切断し、部品を作成します。そこでは端材も多く出ていました。しかし、弊社ではパソコン上で設計図を作り、それをNCマシニングセンターで自動的に切断するため工数削減が図られ、端材も削減できるため材料に無駄がなくなります。また、手作業では手間がかかっていた曲線加工も、NCマシニングセンターが難なく行ってくれます。しかも作業は全て高速で行われます。

弊社では、このネスティング手法で主に、カプセルホテルに設置するカプセルベッドを製作しています。

カプセルベッドと聞くと、プラスチックで作られた、デザイン性も何もなく、無機質なただの箱、寝るだけの空間を想像すると思います。しかし今のカプセルベッドは、デザイン性も高く、カラフルな色が付いています。

既製品のカプセルベッドは規格の寸法があるため、場所のサイズによって入れられる数が決まってしまいます。しかし、弊社は場所のサイズに合わせた、カスタマイズしたカプセルベッドを製作することが可能です。このような場合、ネスティング手法が最も適しています。

ものづくり補助金は、ネスティング手法を実現するNCマシニングセンターの購入に活用させて頂きました。

HOMAG Vantage43M CNCルーター

─それは世の中にどう役に立つとお考えですか?

一番のメリットは、ロスがなくなることで、端材が削減でき、地球環境に貢献できることです。また、人が作業するよりもNCマシニングセンターの方が高い精度の家具を作成することができます。それらのことで価格も抑えることができます。

あと、熟練の技術を持った年配の職人さんが退職したからと、若い見習いの職人さんに頼んでも、熟練の職人さんと同じものは作れません。しかし、コンピュータを用いて行うため、見習いの職人さんでも大丈夫ですし、むしろ若い人の方がコンピュータは得意です。それに、コンピュータで作業するため高いデザイン性のものができます。更に、強固な接合が可能な接合技術、Pシステムを活用することで、耐久性も兼ね備えることができます。

─競合と比べて優位性は何でしょうか?

家具を製作しているメーカーでネスティング手法を採用しているところは他にはありません。弊社が先駆けて取り組んでいます。

また、NCマシニングセンターは高価なため、2~3人の職人さんが働いている家具大工さんでは導入は難しいと思います。弊社はまだ若い会社なので、投資をすべきだと判断し、導入しました。

官公庁関係や企業に弊社のカプセルベッドを知って欲しい

カプセルベッド・ホテル

─どのような使用シーンをお考えですか?

地震や水害などが発生した被災地の避難場所は、体育館のような場所に段ボールベッドが配置されているだけです。そのため、プライベート空間も持てなくてプライバシーが守れない、男女が一緒にいて、特に女性は人に見られて嫌な気になるなど、様々な問題を抱えています。

そうした避難場所で弊社のカプセルベッドを活用して欲しいと考えています。孤立した空間を持つことで感染症対策にもなります。

─どのような場所・人に使ってもらいたいとお考えですか?

被災地では仮設住宅が作られますが、狭い上に家族全員がそこで生活しなければなりません。家族とはいえ男性と女性がいるとプライバシーも問題になります。また、昼間に働く人もいれば夜間に働く人もいます。弊社のカプセルベッドを入れることによって、自分達の空間を持つことができるため、昼間に寝ることもできます。避難した人たちに対して、少しでも精神的な緩和につながると考えています。

─どのようなバイヤーとマッチングしたいですか?

官庁関係や企業とマッチングしたいと考えています。弊社のようなカプセルベッドが避難場所に有効であることはあまり知られていません。もっと知ってほしいと考えています。

また、地震や水害は起きないだろうと想定され、予算も取れない地域もあると思います。そんなところにぜひ、導入して頂きたいですね。官庁関係だと災害対策として必要なものは購入していると思うので、予算が少ない地域に最適だと考えています。企業だと従業員の仮眠のため、休憩所に1~2台置いて頂ければ、仕事もはかどると思います。

─今後の展望を教えてください。

弊社には営業担当がいません。納品先から評価を頂き、注文を頂くことが徐々に増えてきていますし、カプセルベッドはネットで、ある程度は広まってきているのですが、もっと広めたいと考えています。

そして、被災地に弊社のカプセルベッドをお届けしたいと考えています。

被災地に弊社のカプセルベッドを届けたい

会社外観

─御社の概要や特徴、事業内容を教えてください。

弊社は、店舗を作る際、元々のお店の解体から始め、新たなお店を作るまで、トータルに請け負っています。お店の設計から左官もクロス張りも行いますし、お店で使用する家具も作っています。そのうち、家具を製作する割合が増えたことから、家具工場を持つことになりました。

家具では四角いものではなく、曲線のものが流行っています。弊社にはものづくり補助金で導入したNCマシニングセンター以外にも様々な機械が揃っています。私が知る限り、関東圏内に、ここまで機械が揃っている会社は珍しいと思います。また、量産している大手メーカーさんが持っている機械より、弊社の機械は新しいのが特徴です。そのことで依頼されることが多くなっています。特に一点物を得意としています。サイズも含めて、こだわりの家具を作ることができます。

会社代表

─どのような背景・目的で本事業に取り組んだのですか?

2016年に起きた熊本地震から2年ほどたった頃、ラジオのニュースで、被災地には孤独死で亡くなる方が相当にいると知りました。私は埼玉県に住んでいることもあり、熊本の被災地の状況は伝わって来ません。正直、震災はもう終わっていると考えていました。私と同じように多くの人は地震が起きれば、そのときは大変だと騒ぎますが、それで終わってしまうのです。しかし、被災地ではそのときだけでなく2年後、3年後、4年後と長期で考えなければなりません。これから被災地では孤独死で亡くなる方は多いと思います。そういう問題を少しでもなくすようなことができればと考えて取り組みました。

出展情報

Data

出展物の業種
医療・生活・ヘルスケア
補助事業実施年度
令和元年度
補助事業計画名
1品ものの加工の工数削減と端材率の削減をネスティング手法により同時に達成する

企業プロフィール

Profile

社名
株式会社エクセレント
創業年月
1997年1月
代表者
中村真幸
本社所在地
〒354-0004 埼玉県富士見市下南畑3767-6
TEL/FAX
049-255-2520/049-255-2615
ホームページ
https://ex-nt.co.jp/
資本金
1,000万円
従業員数
32名
取扱製品
家具製作

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